【考古民俗叢書】
半島のくらし
――広域民俗誌の試み――
     
 
小島孝夫/田中宣一 編


A5・316頁 
定価:本体8,000円+税
978-4-87449-139-3 c3039

2009年刊
在庫有
  
日本民俗学が蓄積してきた自治体史『民俗編』の膨大なデータをどう活かすのか?
【内容紹介】

広域民俗誌とは、人と人とのつながりを特定のなかで完結したものとして捉えるのではなく、共通した民俗事象の連続性を題材にして、より広範な広がりのなかで捉えなおそうとするものである。かつての民俗誌が描こうとしたのが地域内で自己完結した共同体的なる社会の姿であったとすると、広域民俗誌が描こうとするのはより錯綜した社会構造の中で生きようとする私たちの姿である。現代社会における私たちの実像といってもよいであろう。単にある広域な空間や、日常生活を規制する自然環境や社会的な括りを前提としたものではない。あくまでも、抽出された民俗事象の連なりによって把握された民俗誌のことである。
【著者プロフィール】

編者略歴
小島孝夫(こじま たかお)
1955年生まれ。成城大学文芸学部准教授。筑波大学大学院修士課程環境科学研究科修了(学術修士)。編著に『海の民俗文化―漁撈習俗の伝播に関する実証的研究―』、共編著に『海と島のくらし―沿海諸地域の文化変化―』がある。

田中宣一(たなか せんいち)
1939年生まれ。成城大学文芸学部教授。國學院大學大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(民俗学)(國學院大學)。主な著書に『年中行事の研究』『祀りを乞う神々』『徳山村民俗誌―ダム 水没地域社会の解体と再生』、共編著に『食の昭和文化史』『三省堂年中行事事典』『海と島のくらし―沿海諸地域の文化変化―』などがある。
化と社会」(同成社、2004年)、「中国新石器時代の生業と文化」(中国書店、2001年)

【主要目次】

はじめに  

T 「広域民俗誌」作成に向けて
 広域民俗誌の試み  小島孝夫 
 「半島」とは何か  畑聰一郎 
 半島論・・術語形成と景観・地理認識  山田直巳 
 半島の「半島」化――開かれた空間から閉ざされた空間へ  松田睦彦   
U 知多半島の概要 
 知多半島の歴史  田中宣一 
 知多半島の民俗を知るために  八木橋伸浩
V 半島全域を対象とした問題
 知多半島の方向認識――生活感覚としての「カミ」と「シモ」  八木橋伸浩 
 半島を縦断する愛知用水と民俗の変化について――南知多町を中心に  亀井好恵 
 巡拝と観光  山崎祐子 
 知多半島域の信仰生活  田中宣一 
 風水害からみ ス半島の変化  今野大輔 
 
W 半島南端部(あるいは半島先端部)域の個別事例研究
 人生儀礼の変化と生活の変化――南知多町の儀礼と社会  山本質素 
 両墓制から単墓制へ――火葬化による墓制の変貌  畑聰一郎 
 漁村集落と漁撈習俗――知多半島の海とくらし  小島孝夫 
 南知多町乙方を中心とした半島の生業誌  松田睦彦 

あとがき
索  引
【関連書の紹介】
京文化と生活技術
        ――食・職・農と博物館
 印南 敏秀著
  写真250葉/挿図73三図/表七/A5判上製・カバー装・484頁
   定価:本体9500円+税
    ISBN978-4-87449-136-2


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