【文化史・民俗学】
増補版
十五夜綱引の研究

  

小野重朗著
  

A5判上製 286頁
定価:本体4,000円+税
ISBN4-87449-155-3 C3039
 
1997年刊
在庫有
【内容紹介】
綱引きは稲作の吉凶を占う行事であるとされてきたが、九州中南部の地域ごとに綱引の事例を集めた著者は、旧暦五月に山へ竜神を迎え水神祭をし、旧暦八月に竜神を送って十五夜綱引をするのが古い竜神の祭り方であり十五夜綱引の始まりではあるまいかと考えた。近年、綱引を復活したところもあり、人々は、今も満月の夜に月に祈りをささげ、綱を引き、相撲に興じる。

九州中南部の宮崎、熊本、鹿児島から南島にかけて、旧暦8月15日に綱引を行う。もともと綱引きは日本、朝鮮、東南アジアの地域に多く見られ、主に稲作の吉凶を占う行事であるとされてきた。また旧暦五月に竜神を迎え水神祭をし、旧暦八月に竜神を送って十五夜綱引をするのが古い竜神の祭り方であり十五夜綱引の始まりではあるまいか 山からしかし著者は十五夜綱引とそれに関する民俗を選び、古形を探り、研究をすすめていくうちに全く違った結論を得るに至った。竜神送りである。今も満月の夜に月に祈りをささげ、綱を引き、相撲に興じる人々に日本の文化と精神の神髄を見る。
【主要目次】

主な内容

綱引事例集
薩摩半島地区/大隈半島地区/薩摩北部地区/大隈北部地区/肥後南部地区/日向南部地区/薩南諸島地区

綱引の考察
綱引概略(綱作り・綱引)/綱を引く日/(十五夜綱引・小正月の綱引・盆の綱引)/綱の輪の行事(月と蛇と・綱の輪の中の祈り・綱の輪の中の角力)/大草履と藁人形(吊り下げる品々・十五夜の浜下り・綱を張る民族)/綱引と来訪神(カヤの綱・山から下る神々・ソラヨイ)/綱と竜神(綱引きずりと綱担ぎ・竜神の機能・綱を切る)/儀礼的抗争としての綱引(綱引とイニシエーション・綱引の発生・神を冒Cする者)/南島の綱引(稲の祭りとしての綱引・作占としての綱引・ヤンシャ綱/綱の行事二つ(ブランコ・柱松)

索引

【関連書の紹介】
九州の民家  有形文化の系譜(上)
   小野重朗著
  A5判並製/216頁
  定価:本体3000円+税 ISBN4-87449-156-1

民具の伝承
   
小野重朗著
  A5判並製/302頁
  定価:本体4000円+税
 ISBN4-87449-157-X
かごしまの民具
 鹿児島民具学会編
 B5判上製 452頁
 定価:本体14563円+税 ISBN4-87449-216-9



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